ATCやエイト環でロープ登攀する

袋井P

2025年03月21日 12:38


袋井Pです。

先月、プルージックを行う為の専用のロープである
エーデルワイスのプルージックロープφ6mmを
切り売りで買ったので
それで、プルージックコードを予備も含め
4本作った。

今迄は、アクセサリロープで代用していたが
ロックした後に緩めるのが大変でした。

プルージック専用のロープにしたら
この硬くなってしまう現象が
改善されるのではないか!?
と期待しての購入です。



ユマーリングしない人が
これを見ても
ただのロープの輪にしか見えないでしょうけど
実は、かなりいろんな事ができてしまう
優れモノです!

ペツルのアッセンダーやマイクロプーリー
スタティックロープ等を用いて
ロープ登攀するのが一般的なようですが

私の登山で
ロープ登攀する時は
緊急時くらいなので
それは、持って行きません(持ってない)

昨年からずっと
このロープ登攀を練習しているのですが
どのような緊急時の為に
できるようにしておかなければ
ならないのか?

私の山行で陥りそうな緊急で
想定される事態はいくつかありますが

まずは
垂直やオーバーハングの場所で
懸垂下降している最中に
ロープが絡むなどのなんらかのアクシデントで
少し登り返さなければいけない場合が発生した。

または
リードで登っている最中に
垂直やオーバーハングの場所に
落ちて、宙ぶらりんになった状況
更に使ったロープの長さが
ロープ長全体の半分以上
(半分以下なら、
ビレイヤーにロープを繰り出して
降ろしてもらうことが可能ですが)
例えば
50mロープを使い
40m登った後に落ちたら
降ろしてもらえません。

ロープを掴んで
登ればいいじゃん!
と思うかもしれませんが
φ11mm程度の細いロープを掴んで
自分の全体重を持ち上げて登れる人は
かなり少ないはず

運動会の綱引き大会で使われるような
太いロープであれば
私も登れそうなのですが・・・



ってことで
下降器(ATC 、エイト環)を使用して
懸垂降下途中から
登る方向に切り替える
ということを練習してみます

まずは、ATC
最初に行うのは
ATC下側のロープを手放しても
自分が落下せずに
止まっていられるようにすること

ビレイループのATC下側に
環付きカラビナを1枚入れて
ロープを折り返し
写真のように縛ってしまえば
止まります

低い場所で分かりづらいですが
写真では、ロープにぶら下がって
宙ぶらりんの状態です

これで、両手が使えるようになりました



ATCより上に
プルージックコードを使い
プルージック結びをします
(写真では黄色のロープです)
今迄、アクセサリロープでしたので
効きが楽しみです

プルージックコードを巻いたら
そこにカラビナをセットし
カラビナにスリングをかけて
カラビナを付けたら
そのカラビナをビレイループにかけて
バックアップとします



プルージックコードにかけたカラビナに
更に別のスリングをかけて
あぶみを作ります



あぶみを踏み込む足には
私の場合、左足を使います

この段階では、まだ
足はかけなくていいかな

現在、自分の体重は全て
ATCのところで支えていて
プルージックコードには
荷重されていません

手の届く範囲で
プルージックコードをできるだけ
上部に移動させます

ビレイループに繋がっている
バックアップのスリングを
引っ張ってみて
確実にロックするか?
確認します(重要)

慎重に
ATCを止めている結びを
解除していきます

ATCを使い通常通りに
下降し始めます

すると、すぐに
自分の荷重が
さきほど作った
プルージックコードに移っていきます



こんな感じで
ATCの荷重が完全になくなり
写真の青い環付きカラビナから
外す事もできます

ここで、ATCを落とさないように注意しながら
ATCをセカンドビレイモードにします
私のATCは、モンベル ムーア2です

カラビナが通る大きな穴は1つしかありませんので
そこに取り付けると覚えていれば
間違えることはないです。

これで、登攀システムは完成です
あぶみを踏み込んで立ち上がると同時に
ATCのロープを上へ引っ張り上げます

踏み込んで
ロープを引っ張り上げる
これを繰り返し
どんどん上に登っていけます

でも
体力筋力勝負って感じで
疲れます。
何やるにも体力は必要ということを
思い知らされます



さて、次は
想定していた
トラブルを解決した!として
また、懸垂降下しなければなりません

となるので
ここから
降下していくシステムに
切り替えることができないと
いけません。

現在のところ
ATCは、セカンドビレイモードになっており
あぶみを踏み込んでいなければ
ATCはロックしており
何もできない状態です

あぶみを踏み込んで
ATCの荷重を抜いて
そのまま作業できるかたも
いるのかもしれませんが
私は、できないので

ATCのセカンドビレイモードの角度を変えることによって
ロックした状態から解除へ変えます

それには
まず、ATCの小さい穴
もう穴は、そこしかないので
これも間違えないでしょう

そこに細引きのスリングを
通します

細引きスリングにヌンチャク(カラビナでもOK)をつける
そのカラビナにスリングをつける

そのスリングをそーーーっと
踏みつけることによって
ATCの向きが変わり
ロックが解除されます



ATCの向きが変わると
少し降下して
体重は、プルージックコードに移ります

全荷重がプルージックコードに移ると
ATCは、自由に外す事ができますので
ここで、通常のビレイモード(懸垂下降)に戻します。

また、あぶみを踏み込んで
ATCのロープを引っ張り上げます
先ほど違い
ロックはしませんので
しっかり持っていないといけない

プルージックコードから
ATCに荷重が移ったら
プルージックコードを少し緩めます
(この辺は、ロープ径やプルージックコードの相性などによって変わると思います)
その場で、プルージックコードを
外してしまう余裕があれば
外すのでしょうけど
私は、緊急時の想定なので
そのままプルージックコードを持って
(ずらしながら)
懸垂下降していきます。


次は、エイト環バージョンです
エイト環でもロープ登攀可能です

ATCの時と同様に
まずは、エイト環での降下を止めます
両手をフリーにして
今後行う作業に備えます



エイト環をロックして
エイト環上で結びを2回
これで、両手を放しても
落ちません

エイト環上部にプルージックを作ります
カラビナを付けスリングを付けます
そのスリングにさらにカラビナを付けて
ビレイループに付けます
バックアップの完成

プルージックコードに取り付けたカラビナに
長めのスリングを付けて
あぶみを作ります

プルージックコードをできるだけ
上部へ移動させます

慎重にエイト環のロックを解除し
ゆっくりと降下します

すると
エイト環から
プルージックコードに荷重が移ります

エイト環がフリーになりますので
エイト環を反転&半回転させて
再びビレイループの環付きカラビナに装着



エイト環の小さい方の穴に
カラビナを通し
(写真だと紫色のカラビナ)
万一のロープの抜け防止にします
そのカラビナにハーネスの
レッグループを通したスリングを装着
(私の場合、予備のプルージックコードで
写真だと手に持っている黄色のやつ)

登攀システムの完成です

あとは
ATCの時と同じように
あぶみを踏み込んで
エイト環のロープを上に引っ張り上げる
という動作を繰り返していきます

さて、再び懸垂下降です
ATCと違って
エイト環の降下はラクチンなんです

なんと
エイト環の小さい穴のほうを持って
向きを上向きから
下向きに変えるだけで
降下できます
レッグループからエイト環に繋がっている
スリングを下に引いても可能ですが
微妙な力加減が必要なので
エイト環自体を持つ方が
力加減がしやすいです

降下していきますので
上部のプルージックも持って(移動させながら)
懸垂下降していくことができます
まだ長距離を降下する場合は
プルージックを外してしまうのでしょうけど
私は怖いので、外さず
そのまま降下するかなー?
実際に緊急事態になったことがないので
分かりませんが



私のφ8mmという細形のロープと
自身の装備では
エイト環の方が楽かなーと
感じているのですが

これが友人のφ11mのロープになると
きっと操作性が、がらりと変わる。

早くやってみたい

この記事を
最後まで読むような人は
ほぼ、いないと思いますが
もし、いたら
相当興味がある変態さんでしょうね!!
ありがとうございます。笑

そんな人は
ぜひ一緒に山へ行きましょう

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